北の凡

いろいろあるけれど、それでいい

文化を喫する、入場料のある本屋

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東京の地下を歩いていると、あまりにも入り組んでいて、蟻の巣の中を歩いているような感覚になり、行き交う人々は、人ではなく蟻のように見えてきた。

 

断続的で、継続的に、改札を抜けるときに鳴る、『ピッ』、『ピッ』という電子音は、まるで虫の羽音のよう。

 

満員電車が、私の前に停まり、急いでいないので、次の電車を待っていたら、また満員電車が私の前に停まった。このまま、待っていても、次の電車も、次の電車も、次の電車も、満員電車なのだろうと思って、諦めて乗った。

 

つり革につかまりながら、何とはなしに、車内案内表示装置を見ていると、「東西線が人身事故のためダイヤが乱れています」と流れてきて、この表示は、日常的な光景に溶け込んでいるのだろうか、と思った。

 

いくつかの電車を乗り継ぎ、降りた駅は、六本木。六本木に来るのは初めてで、ここが、六本木ヒルズのある、六本木かあ、とあたりを見回すが、どれが六本木ヒルズなのかはわからず、たぶん、あの一番、高いビルが、六本木ヒルズなのだろうとか考えながら、ラーメン屋を探すが、10時だったため、ラーメン屋はチェーン店しか開いておらず、モスバーガーで軽く食べて、文喫に向かった。

 

文喫の看板は桜色で、ブックカバーも桜色、他では見ない色だった。

 

他の本屋さんと違うのは、店内に入るのに入場料がかかるということ。1500円。店内では、コーヒーも、煎茶も、おかわり自由なので、ゆっくり過ごし、飲み物を3杯も飲めば、元が取れるのではないだろうかとか思ったが、頻繁に来る人にとっては、この1500円は、どうなのだろうか。

 

文化を喫するの、喫するという言葉は、耳慣れない言葉だけど、どういった意味があるのだろうかと、インターネットで調べたら、「飲む、食べる」とあったので、文化を喫するとは、飲み、食べると同列に、人に必要なものというメッセージがあるのだろうか。

 

私が文喫に訪れた時には、ちょうど、石川直樹『The Himalayas』の展示をしていて、石川直樹がこれまで読んだ本の本棚があり、その本も買うことができた。私は、田村隆一詩集を選んだ。

 

田村隆一詩集 (現代詩文庫 第 1期1)

田村隆一詩集 (現代詩文庫 第 1期1)

 

 

昨日、訪れた『fuzkue』でも感じた感覚。本との新たな出会いが、文喫にもあって、ここ、好きだなあ、と本棚を一つずつ眺めていって、気になる本を数冊、買って、店を後にした。

 

文喫で買った本を読みながら、札幌、千歳空港に着いたのが夜。1泊2日だったけれど、1泊2日以上に、休んだ気がした、そんな休日だった。

 

私にとっての非日常は、誰かにとっての日常で、私にとっての日常は、誰かにとっての非日常なんだな、と、いつもの畑ばかりの景色を眺めながら、当たり前のことを思った。

 

bunkitsu.jp