北の凡

いろいろあるけれど、それでいい

光のあて方が、これまで読んだ本とは違う。

大学3年の時、自分はどんな仕事をしたいのだろうか?と改めて考えて、たどり着いた一つの答えが野球に関わる仕事をするということだった。それほど、野球が好きで、野球ほど好きなものがないとも思っていた。しかし、野球が好きな人は、社会に出ると、ごまんといて、私なんて、全然、大したことがないことを知った。

 

今、読んでいる村瀬秀信『止めたバットでツーベース』もそんな人たちが登場する。

 

東京ヤクルトスワローズ全144試合生放送をしている弁当屋。ヤクルトの選手たちの絵を描くことによって、ヤクルトを応援しようと、6年間、野球の絵を描き続けた美術家。伝説の応援団長。行間から、もわんと熱が伝わってくる。

 

高校野球を見ながら、完全燃焼をしたと思える人は、皆無に等しいのではないか。いや、そもそも人生でも完全燃焼することは難しいのではないかと思っていたけれど、『止めたバットでツーベース』に登場した美術家ながさわたかひろの章を読んでいると、そもそも、私は、ここまで人生をかけるといえるほど、人から見たら狂気に感じるほど、打ち込んだことはないのではないかと思った。

 

『止めたバットでツーベース』は、光の当て方が、これまで読んだ野球本とは違う。

 

止めたバットでツーベース 村瀬秀信 野球短編自撰集

止めたバットでツーベース 村瀬秀信 野球短編自撰集