北の凡

いろいろあるけれど、それでいい

その印象はつくられたものかもしれない、第一印象は、誤っているかもしれない。

アジアカップ決勝をテレビで流しながら、早見和真『イノセント・デイズ』を読んでいた。

イノセント・デイズ (新潮文庫)

イノセント・デイズ (新潮文庫)

 

アジアカップの試合が終わったのが深夜1時半で、明日も仕事だから、そろそろ寝ないと、思って、本を閉じ、布団に入った。外は風が強く吹いていた。

 

気持ちが塞ぐのは、外が吹雪いているからなのか、日本が、カタールに負けたからなのか、と思ってみたけれど、一番の要因は、イノセント・デイズの内容だった。本に引っ張られて、気持ちが塞ぐのは久々だった。本当にたまあに、本に引っ張られて、どよ〜んとした気持ちで数日過ごすこともあり、そんな本だと思った。

 

もう、切なくて、悲しくて、フィクションであるはずなのに、フィクションとは思えなくて、どこかに同じような人がいるような気がして、いつもなら、途中で本を読むのをやめるんだけど、読む手を止められなかった。というか、一気に最後まで読んで、いつもは読まない解説も読んだ。解説は辻村深月だった。解説も読んで良かった。視野が広がったというか、気持ちが整理できたというか。

 

『イノセント・デイズ』は、ある女性が、恋人にふられ、その恋人の妻と双子の子どもを放火で殺した罪で、死刑宣告されるという話。その女性に関係した、産科医、義妹、幼少の頃の友人、中学校時代の友人、元恋人の友人、刑務官等によって、その死刑宣告をうけた女性が、どんな人だったかが、徐々に明らかになって物語は進む。

 

本を読みながら、出会った人に、優しくありたいと思い直した。孤独を感じている人は、身近にいるかもしれない。誰の助けも求めず、ひとり、耐えている人がいるかもしれない。仕事でも、私生活でも。

 

 

お前が将来どんな仕事に就こうと、絶対に忘れてはいけないことがあるよ。相手が何を望んでいるのか、真剣に想像してあげることだ。早見和真『イノセント・デイズ』p282

 

遠田潤子『あの日のあなた』にも、想像しろって言葉が出てきたけれど、どうも、『想像』という言葉が、私のアンテナにひっかかる。

 

人間が人生を賭して挑める仕事なんてせいぜい一つか二つしかないんだ。早見和真『イノセント・デイズ』p326

 

やっぱり自分の違和感を大切にして、選択をしていくことって大事だなと思った。