北の凡

いろいろあるけれど、それでいい

大人の本気ってかっこいいです。

宮下奈都『神さまたちの遊ぶ庭』は、小説だと思って読んでいたら、小説ではなかった。まじなやつだった。宮下一家が一年間、北海道のトムラウシで生活した記録。日記のようで、ノンフィクションだった。本の後ろにはエッセイと書いてあった。

 

そういえば、私が十勝に住んでいた頃に、通っていた整体師は、千葉県から移住したと言っていた。一番、北海道らしい景色があるのが十勝だったので、十勝に住んだと言っていた。私の中で、一番、北海道らしい景色は、美瑛だけど、道外の人からすると、十勝の景色が、北海道のイメージなのだろうか。十勝晴れと呼ばれるほど、天気が良く、雪も少なく(北海道の中では)、住みやすい。

 

祖母や親戚のおじさん、おばさん、母がトムラウシに住んでいたので、もっとトムラウシでの生活について知りたくなった。『神さまたちの遊ぶ庭』に登場する相馬書店は、私も子どもの頃、何度か行ったことがある書店で、相馬書店に宮下奈都も行ったんだあ、と思うと、すごいなあと思った。祖母や親戚のおじさんたちは、自分たちが住んだトムラウシに作家が来ていたというのを知っていたのだろうか。

 

宮下一家は、福井に住んでいて、子どもも3人いて、一番上の子が中学3年生だった。妻が作家で、どこに住んでいても、仕事ができるというのがあるとしても、子どももいる中で、一年間の留学をする決断がすごいと思った。夫の希望が強かったみたいだけど。

 

本を読んでいても、こんな生き方があるんだって、気づいたというか、気づかされたんだけど、子どもたちは、大人になって、この一年間の経験がどう活きるのだろうか。

 

「僕は今まで、本気を出すことを恥ずかしがったり、怖がったりしてきました。でも、ここトムラウシで、今日も本気の大人たちをたくさん見ました。大人の本気ってかっこいいです。宮下奈都『神さまたちの遊ぶ庭』p83-84

 

 

神さまたちの遊ぶ庭 (光文社文庫)

神さまたちの遊ぶ庭 (光文社文庫)