「障害が個性だという考え方が嫌い。障害者になりたくてなったわけではない」
私は、そう言った青年の言葉を思い出しながら、障害が個性だと言えるのは、障害がある当事者だけで、支援者や家族が言っていい言葉ではないな、と心の中でつぶやいた。
そんなことを考えながら、読みかけの本を読んだ。
- 作者: ミッチ・アルボム,別宮貞徳
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2004/11/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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あらすじ
スポーツコラムニストのミッチは、偶然、テレビで大学時代の恩師の姿を見かける。モリー先生は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)に侵されていた。16年ぶりの再会。そこから始まる毎週火曜日の2人だけの最終講義。教科書はない。テーマは、人生の意味について。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは?
運動筋が広範囲に障害される運動ニューロンの変性疾患。原因は不明で、難病に指定されている。通常、手や足などの筋力低下、けいれんにはじまり、疲労感、嚥下困難や発声障害、非対称性の筋萎縮の拡大等が起こり、やがて呼吸筋も麻痺し、人工呼吸器の装着が必要となる。感覚障害や意識障害は起こらず、意識は清明なまま寝たきり状態に陥る。治療法は確率されていない。40~70歳の男性に多く、日本では10万人に4〜5人が発生すると言われている。(「社会福祉用語辞典」中央法規出版編成部編)
モリー先生との火曜日の前半部分を読んでいて、「自分に正直に。品位を持って」という言葉が頭の中に浮かぶ。
最近、自分に正直に生きることを大切にしている。そこに品位を持ってをつけたそうと思った。
好きな人と会い、やりたいことに時間を割く。嫌いな人は嫌い。ただ、嫌いだからと言って、必要以上に、攻撃的にならないでおこう。そこは品位を持って。
そんなことを思っているんだけど、本の後半に、「許し」について語られる部分があって、ふと、20代の頃、些細なことで腹を立て、それ以降、連絡をしなくなった友達がいたな、と思い出した。
忘れもしない。当時、その友達は、ねずみ講みたいなことをしていて、大事な友達だから、すすめられても、するり、するり、話をそらしていたんだけど、ある日、珍しく、私の生活を批判してきたわけ。
その頃、自炊もしないし、風呂は職場で入る生活をしていたから、カセットコンロがあれば十分だな、と、ガスを契約していなかったんだど、その友達が、人間らしい生活をしたほうが良いよ。あなたも、そのネズミ講をやれば良いのに、と。
「お前の価値観をおしつけてくるんじゃねえ!」っつって、部屋で携帯電話を投げつけたからね(笑)。
書いていて恥ずかしくなってきた(笑)。
何度か、謝ってきてくれたんだけど、もう私も頑なになっちゃってね。それ以降、連絡を取っていない。
もしかしたら、死ぬ間際、大切な人の顔と同時に、あやまりたい人の顔も思い浮かべるのかもしれない。