年末に、たまたまテレビで見た「とと姉ちゃん」総集編をもう一度、見たいと思って録画したんだけど、見たかったのは、総集編じゃなく、「とと姉ちゃん」と、あの雑誌という番組だった。
どうして見たかったかというと、暮らしの手帖の編集長、花森安治のある言葉をもう一度、聞きたかったから。
暮らしの手帖には、戦争中の暮らしの記録という特集号があり、その特集号の記事は、読者から原稿を募集し、できあがったものだった。
花森安治は、編集する過程でスタッフに、
「戦争は嫌だという叫びは言葉ではいらない。一日にご飯一膳なのか、一膳の半分なのか。米粒いくつなのか、という記述があるかどうか。その原稿に暮らしの事実があるのかどうか。そこで見極めてほしいと」言った。
この言葉が良いなあ、と思って。