試合にも、クライマックスシリーズにも、いくつかのターニングポイントがあるけれど、ソフトバンクとの第3戦、8回表は一つのターニングポイントだったと思う。あの第3戦を直接、球場で観ていて、一番、痺れたシーンだった。
8回表、前日の逆転負けを想起させた人は多いだろう。あの回は、このシリーズを左右するくらいの回だった。0アウト1,2塁からのバント失敗。1アウト1,2塁となり、投手は、石井に代わり谷元。打順の巡り合わせは最悪。3番柳田、4番内川、5番松田。緊張感が観客席まで伝わって来た。
結果は併殺に終わり、0点で凌ぐわけだけど、あの第3戦を落とすようなことがあったら、クライマックスシリーズの結果すら左右されない場面だった。
谷元投手。身長166cm、65kg。ウィキペディアによると、その身長から、有力な社会人野球チームからは勧誘されず、一般社員と同じように生活をしながら野球を続けたらしい。日ハムの入団テストに合格し、今に至るわけだけど、大は小を兼ねるようなプロの世界。大であろうが生きるのが難しいプロの世界で、生き残り続けることの凄さ。
新聞で読んだけれど、あの日、谷元は、「ホームランを打たれても同点」と自分自信に言い聞かせ、マウンドに登ったらしい。
すばらしい投手だ。
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