どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

あの高いところにあるさくらんぼは、鳥たちにあげよう。

さくらんぼといちご、そろそろ採らないと動物たちに食べられるよ」朝、嫁さんに、そう言われて、さくらんぼの木と、いちごを見に外に出た。


春に植えた野菜の数々は、畑の草むしりから始め、畑を耕し、水をやり、手塩にかけて育てていたけれど、さくらんぼの木といちごは、前の住人の方が植えたもので、それほど思い入れもなく、どちらかというと、「いちご。畑のスペース取りすぎだから」と、疎んでいたところさえあった。

因みにさくらんぼ。さくらんぼだと判明したのは、つい最近の話で、春に花を咲かせた時は、桜の花のようだけど、何っていう木なのだろうか、と木の種類がわからなかった。ある日、木を見たら、さくらんぼの実をつけていて、この木は、さくらんぼだったんだ、と知ったわけ。さくらんぼの木だとわかった時は、また食べるものが増えて嬉しくなった。


そのさくらんぼといちごを見ると、確かに、食べられそうなものがある。
家に戻って、嫁さんからハサミを出してもらい、さくらんぼといちごの収穫をするため、再び外に出る。


小学生の頃、友達の家のさくらんぼの木に登って、腹いっぱい食べたなあ、と思い出した。
うちのさくらんぼの木は小さいから、木に登ったら、枝が折れ、俺は土手から転げ落ち、さくらんぼが嫌いになってしまうな、と想像し、あの高いところのさくらんぼは、鳥たちにあげよう。うちのネコも友達のように、鳥たちが来ることを楽しみにしているし、と心の中で呟き、家に入った。



自分の手で収穫するのは、何か、嬉しいな、と思った。









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