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どんまい

侍ジャパンありがとう

河童のかわぐちくん(4)

rakuunanzyuku
川の底が目で確認できた時点で、
俺は河童の肩から飛び降りて、
「グンバズラアアアアア」って、
訳のわからない奇声を発しながら一目散に逃げた。
後ろも振り向かずにな。

そこにTシャツがあることも忘れ、
靴があることも忘れ、
自転車があることも忘れて、
とにかく猛烈なダッシュをかました。
たぶん、今まで、走った中で一番速かったんじゃないかなあ。

人も車も通るような大きな道路まで走って、もう大丈夫だろうと後ろを見た。
河童の姿はなかった。
逃げている時も、もしかしたら河童は追いかけてこなかったのかもしれない。

海パンだけの姿で、家に帰ることにした。
アスファルトを裸足で歩くのは痛かった。

夕飯の頃には、
いつもの夏休みに戻って、
気持ちも落ち着いたけれど、
同時に罪悪感が沸き起こってきた。

俺は命を助けてもらったのに、
化け物を見るみたいに逃げて来ちゃったなあって。
あの河童は、良い奴だったんじゃないのかなあって。

夕飯を食べた後も、風呂に入っている最中も、布団に入ってからも、
あの河童に悪いことをしたなあって、何度も、何度も思った。

川に置いてきた自転車と靴のことも思い出した。
取りに行かないと、かあちゃんにばれたら怒られるだろうなあと思った。
河童から逃げて来たから、自転車をなくしたなんて、かあちゃんは信じないだろうし。

もう一回、川に行ったら河童に会えるだろうか。
明日、川に行ってみよう。
会えたら、河童にお礼を言おう。
そう決めたら眠気が襲ってきた。



※「グンバズラアアアアア」は、実際に友達が発した言葉ですが、その他の物語はフィクションです。


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