そういうわけで、僕の友達、河童のかわぐちくんの話なんだけど、
かわぐちくんが河童というわけじゃあない。
かわぐちくんは人間だ。
今まで、出逢ってきた人達の中で、ひときわ、あきらめの悪さにかけては群を抜いている男。
かわぐちくん。
そのかわぐちくんと僕は高校の時に出逢って友達になり、
そのかわぐちくんから聞いた話に、
川で溺れていたところを河童に助けてもらったって話がある。
僕のお気に入りの話だ。
そのお気に入りの話をする前に、
少しばかり、かわぐちくんのあきらめの悪さの話をしたい。
あきらめが悪いというか、粘り強いというか、
僕は、かわぐちくんのそんなところが好きだ。
小学か中学の卒業文集に『世界一周旅行をする』って書いらしいんだけど、
高校の時も、何度か言っていた。「世界一周旅行をする」って。
その時、「やりたいことなんて、そうそう、見つからないからさ。大切にしたいんだよね」とも言っていた。
あと、高校の時に好きになった人ってのが先生だったんだけど、
食事に誘って見事に断られたこともある。
男子生徒から人気がある先生だったんだけど、
食事に誘ったのは、僕の知るところでは、かわぐちくんしかいない。
一年くらい想い続けた結果、その先生には彼氏がいることが発覚。
その時も「別れるってパターンもある」とあきらめていなかった。
さすがに結婚するって退職した時はあきらめたけどね。
その時は、「めっちゃ好きな人なんて、そうそう、いるもんじゃないと思うんだよね」と言っていた。
あきらめないけれど、実現もしなかった。
そんな話の方が実は多い。
そのたびに、かわぐちくんは泣いた。
※この物語はフィクションです。
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