次の日も連続でパチンコ会館玉将に行ったが、
やはり手紙なんて渡せる勇気もなく、
財布に入っているお金もなくなり、
結局、マイナス60000円。
2日で合計120000円の負け。
そして、さらに次の日もパチンコ会館玉将に向かった。
これで3日連続。
パチンコをしていない人には、
まったくもって理解できないかもしれないが、
パチンコに負けた、その日は半端じゃない自己嫌悪に陥るが、
大抵、次の日は、リセットされている。
今日は勝てるだろう。良い加減、今日は勝てるだろうと都合の良いように考える。
そして駆り立てられるようにパチンコ屋へと向かう。
パチンコ会館玉将の店内に入り、
相も変わらず、『昆虫に夢虫』に座る。
パチンコを打ちながら、
今日で最後にしようと心の中で呟く。
手紙を渡せば、パチンコ会館玉将に来づらくなるし。
1万円がなくなり、2万円がなくなる。
2時間が経過。
パチンコ会館玉将で働く好みの女性は、
今日も勤務していた。
俺は営業という仕事柄、飛び込みで営業に行くこともあるのに、
どうして、好みの女性を前にすると、
こうも緊張して手紙を渡せないんだろう。
営業も断られるのが当たり前。
食事を誘って断られるのも当たり前。
ただ、時々、幸運が起こる。
時々、起こる幸運を手にしたいがために行動を起こす。
行動を起こさなければ傷つくことはないが何も変わらない。
幸運は行動を起こさない奴には決して起こらない。
だけどなあ。だけど緊張して、どうしようもない。
パチンコをしながら、そんなことを考えていた。
ありえないことに、
俺が座る台、座る台は、
今日もうんともすんとも言わない。
6時間。
これほどまでに、あっという間に流れる時間もない。
これほどまでに、あっという間に金がなくなることも、そうそうない。
閉店の音楽が店内に流れた。
今日も60000円。
3日連続で180000円。
3日で給料を使い果たした。
俺は、何のために働いているのだろうか、と頭をよぎる。
好みの女性に手紙を渡すタイミングをうかがいながら、
足は店の外へと向かう。
もう手紙を渡すことなんてあきらめよう。
何をしていたんだ、この3日間。
足取り重く、店の外に出た。
つづく。
※この物語はフィクションです。
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