お盆。ばあちゃん家に親戚一同が集まった。
親戚のおじさん達が集まれば、いつだって宴会が開始される。
俺は座布団を枕代わりにし、横になって、テレビで流れる甲子園を観ていた。
大人になったらビール片手にプロ野球を観るのを楽しみにしていたけれど、
ビールのうまさが、わからないまま大人になってしまった。
よって、俺は、その宴会の輪の中には入っていない。
営業って仕事柄、付き合いで取引先と飲みに行くことも多い。
一度、すすめられたビールを断ることもできず、
こうなったら一気に流しこんじまおうと思って、
一気をしたら、そのまま逆流してきた。胃袋が猛烈に拒否した。
「すみません」とも言えないくらい急を要したから、
口をパンパンに膨らませ、トイレに直行した。
その取引先は、それ以降、俺にビールをすすめない。
「好き、嫌いは20代、30代までだな」
親戚のおじさん達の盛り上がっている声が、
否応なしに耳に入ってきて、
そんなもんなのか。俺にはわからないなあ。
好き、嫌いは大事だと思うけどな。
と、一人、23歳の俺は心の中で呟いた。
俺って、今まで、何回、ふられたんだろうかと頭をよぎったから指をおりながら数えた。
5回。
結構、ふられてんな。
「パチンコ。ありゃあだめだ。パチンコをする奴は馬鹿だ。競馬は良いけど」
親戚のおじさん達の話題が、
恋愛の話からギャンブルの話に、
どう展開していったのかはわからないが、
話題はギャンブルの話になり、
競馬で当てた最高額を競うように話していた。
競馬かあ。一度、牛丼を食うくらいは勝ったことがあるが、
どうも競馬では熱くなれない。
まあ、パチンコは儲からないってのもわかるけれど・・・。
再び、一人、心の中で呟きながら、
冷凍庫に入っているアイスを取りにのそっと起きた。
冷凍庫をあけ、何本も入っているアイスの中から食べたいアイスを選ぶ。
こんなアイスがあるのかと一本のアイスを手に取った。
王将アイス。
続く。
※この物語はフィクションです。
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ひさしぶりにフィクションを書き始めた。
今回は、恋愛の物語。
楽雲庵塾では初。
楽雲庵塾塾生のみなさんは、ご存知のとおり、
楽雲庵塾では、一切、恋愛の話は書かない。
まるで掟のようになっている。
なぜなら、楽雲庵塾は、通称、北の男塾だから。
この前、恋愛の言葉をのせているポストカードを頼まれて作ったんだけど難しかったあ。
半端なく時間がかかった。
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