凡の花

いろいろあるけれど、それでいい

がんばれないか作戦

金がかかりすぎる。
テレビにタイヤ。
どちらも高い。

まずはタイヤだ。タイヤ。
タイヤを買わないことには、冬道を走れない。
北の大地に、まもなく冬が到来する。

そんな俺に、値切り方を教えてくれる人がいた。

「値切る時、絶対に威圧的になってはいかん。威圧的になるくらいなら媚びろ!」

「いや、俺、人に媚びるの嫌なんで」

「媚びるのが嫌なら、冗談を言いながら値切ろ!いいか、あくまでも軽い感じだ」

冗談かあ。冗談ならいける気がする。

俺は、早速、タイヤを買いに行った。
タイヤを眺めていたら、同年代の店員が話しかけてきた。
こいつならいける。そう思った。
が、しかし。冗談を言いながら値切るって、どうしたら良いんだ?
考えたあげく、俺は、「がんばれないか作戦」を思いつく。

「すべて込みで45000円です」

45000円なら良いんじゃないかとも思ったが、そこはやはり値切る交渉に入る。
ちょっと沈黙を意図的に作ったあと口を開く。

「う〜ん。もう少しがんばれないっすか?」

「タイヤ処分量1000円かかるところ無料ですからねえ」店員は困惑し呟く。

「そこんところをがんばれないっすか?」

がんばれないか作戦とは、
会話の合間、合間に、もう一踏ん張りという意味を込め、
ひたすら「がんばれないっすか?」と連発する。
ただ、それだけの作戦。

「この時点で、すでに10%引きなんですよねえ」

ねばるな。この店員、と思いながら、
最大の長い沈黙を意図的に作り、口を開く。

「がんばれないっすかねえ」

「ポイントもつきますからねえ」

おれることを知らない店員。
結局、100円すら値切ることができず、
がんばれないか作戦失敗。


帰り道、俺は、値切るのが下手だと自分を責めた。



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