北の凡

いろいろあるけれど、それでいい

七尾屋


新潟市古町のアーケード街の中にドカベン銅像が並ぶアーケード街がある。
古町5番町。

俺は、そのアーケードを古町のドカベンと呼ぶ。
新潟空港からタクシーに乗り込んだ時に告げた「古町のドカベンまで」とは、この古町5番町を指している。

路上でポストカードを広げ、初めて、売れた思い出深い場所。
古町5番町の小路を入り、風俗街を通り抜けた場所には、GALLERYN7もある。


その日の古町5番町は、一箇所だけ違う場所があった。
まるで間違い探しをしているような感覚。

古町5番町には「本間印舗」という一軒のはんこ屋がある。
その隣の白い扉が、その日は開いていた。

おっ、この小路を歩いた先に、七尾屋があるんだな。
まさしく、秘密基地という名にふさわしい。


「こんにちは〜」木に手書きのメッセージ。
「お隣さんも昔の外観のまま」そんな木に書かれた幾つかのメッセージを読みながら歩き辿り着いた場所が七尾屋。



「おっ、塾長」
奥の机に座るインポーさんが、七尾屋の景色に無性に合ったいた。

来るお客さん、来るお客さんに、「どうぞ」と言いながら、さりげなく麦茶を出す。
麦茶を出すはんこ屋ってのも良いなぁと、そのやりとりを眺める。

そのお客さんの一人が帰り際に「この前のデザインの大会で賞をもらっていた人ですよね」と訊いた。

「何かもらっちゃいましたね〜。はんこ屋やってます」
インポーさんが明るく、そう答える。


ある時は本間印舗の四代目。
ある時は七尾屋。
ある時はフリーのグラフィックデザイナー。
ある時はFACE VOICEという名のジンを発行し、
ある時はスプレーで絵を描き、
ある時はスーパービッグチョコを食べ、スーパーインポーに変身する。

そして、今は、「自己満だ、この野郎」と自費出版で本を出そうとしている。


自費出版にした理由、自己満足と表現の話は目をギラギラさせて訊いた。

「それも自己満足です。これなんて自己満足の最たるものです」

「グラフィックをする時は、まるっきり頭を切り換えます。ただ、やらされている感はないっす」

その話は、七尾屋に来る前に行ったshabby sic ポエトリーのアンダーグラウンドの話と通ずるものがあった。


七尾屋もshabby sic ポエトリーも、何となく疑問に思ったことからの何気ない会話だったんだけど、これからのものづくりに対する俺のスタイルを考える良い機会になった。





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