財布を落とすと言うことは、金を落とすだけにとどまらない。
財布には、免許証も入っていたわけだ。
今までになく、悲惨なゴールデンウィークを終え、早速、免許センターに行った。
名前を呼ばれ、カウンターに辿りついた俺に、中年の男性職員が、訝しげな顔で、こう言った。
「免許証・・・。期限切れてませんでしたか?」
免許証の期限が切れている・・・。
何だ、何だ、財布の次は免許証か、次から次と・・・。
泣きっ面に蜂。
しばし、混乱した。
「いや、いや、いや。そんなわけないです。何せハガキを見た覚えがないですからね」
免許証更新の数ヶ月前に届くハガキを見ていない。
そんなハガキを見落とすわけがないと俺は説明した。
「免許証を最後に見たのはいつですか?」
「5月2日です」
5月2日。
正確にいうとその日は、俺が財布を落とした日であって、
最後に免許証を見た日ではない。
普段、免許証の期限なんて、まじまじと見ないからな。
その男性職員の方が正しいのだろうと我に返った。
「ハガキは見た覚えはないけれど、たぶん、切れてたんでしょうね。それで、どうすれば良いですか?」
「免許証の再交付ではなく、特定失効者にあたります。6ヶ月以内ですので、講習を受けるだけで大丈夫です」
6ヶ月以内に発見できたなんて、ラッキーじゃないですか。
中年の男性職員の声が、そんなふうに聞こえた。
確かにラッキーかもしれない。
免許証の再交付に金を払うのであれば、
免許証の更新に金を払う方が、まだましだ。
更新は、確実にしなきゃならないからね。
それにしても、俺は、こんな機会がなければ気づかなかった。
警察に捕まりでもしなければ、
ずっと期限が切れたまま過ごしていただろう。
こんなに、おっちょこちょいで、うっかりな自分自身に嫌気がさしもするが、
今日のところは、ラッキーだったということにしておく。
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