どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

FACE VOICE


スーツケースをひきずり、俺はドカベン銅像が並ぶアーケードを歩いた。

開店まもない花屋はどことなく爽やかで、
日射しがあたってキラキラしていた。

驚くかなぁ。これでいないってのも十分あり得るからなぁ。

ひさしぶりの再会を、連絡なしで会いに行く。
まぁ迷惑な話だ。

アーケードに並ぶ店は、どちらかというとシャッターが閉まっている店が多かったから、
俺が目指していた”本間印鋪”も、まだ開店していないのかもしれない。

店が近づいてくる。
店の外には、お父さんと思われる人が、開店の準備をしていた。

良かった、やってた。
店の前には、ブログに書かれていたハンコが並べられていた。
ハンコを眺めながら、店内を見る。

いた、いた。
立った状態でパソコンを眺めるIMPORさん。

開店まもない店に客は俺一人。

いつ気づくかなと、店内を眺めながら、
チラッ、チラッとIMPORさんをちら見する。

二度・・・。三度・・・。
なかなか、こっちを見ない。

この状態だと俺は不審者だ。

もう声をかけちまおうとレジに向かったその時、
「うぉ、何でいるんすか?」
待っていたリアクション。

「FACE VOICEありますか?」

FACE VOICE。
IMPORさん達が、最近、発行したフリーマガジン。

俺は発行されるまでの様子を、ブログで読みながら、
手にするのを楽しみにしていた。

それから、IMPORさんとちょっと話をして、
バスの中で早速、そのFACE VOICEを読んだ。


”早速、あなたに質問です。


『A』


この1文字から連想することを教えてください。”



俺も、ぱっと思いつくことを頭の中で連想しながら、ページをめくった。
いろんな職業の人達が、『A』について連想し、記事を書いていた。

最後の方には、発行した理由が書かれていた。

”・・・お金にしばられることが、どれほど、人間の生々しさ、表現を奪っているんだろう・・・”。



FACE VOICEを手に取ってから、数日、『A』で連想することと表現について考えている。




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