どんまい

いろいろあるけれど、それでいい


「ばあちゃん、この写真は何歳の時の?」

「20代だね」

「すげぇ、すげぇ」

ばあちゃんの昔のアルバムを見て、
俺は、興奮しながら、何度も言った。

子どもの頃にも、一度、見たことがあるアルバム。
ただ、今回とその頃、見た時では違った感覚だった。

アルバムにいる、ばあちゃん。20代。
俺の目の前にいる、ばあちゃん。80代。
その60年の歳月を感じ、俺は興奮した。


今のばあちゃんは、写真に写るのを嫌う。
こんな、醜い姿では、撮られたくないと言う。

先日、俺は、敬老の日が近いということを知り、
ポストカードを作るため、ばあちゃんの写真を撮った。
その時も、「真っ白な頭だねぇ」って、しきりに言ってた。


そのポストカードが出来上がり、昨日、ばあちゃんに贈った。
ばあちゃんは、眼鏡を外し、無言でポストカードを眺めた。

ばあちゃんの心には届いただろうか?

そして、ばあちゃんは、財布をいじり出す。
俺は、金をくれるつもりだなと察知し、
「ばあちゃん、プレゼントだから金はいらない」と拒んだ。
拒み続けた。

ばあちゃんは、一度、言い出すと、なかなか折れない。
俺は、根負けし、千円札を折りたたみ、財布の中にしまった。


このポストカードには、まだ続きの話がある。


ばあちゃんをモデルにしたポストカードは、
花屋さんに置かれることになっている。

ばあちゃんにも話し、了解を得た。
敬老の日に向けて。

その花屋さんに、ポストカードを持って行く途中、
ふと、名案が浮かぶ。
ばあちゃんに、花を贈るのも良いな。

俺は、ポストカードを置いてくれる花屋さんで、
折りたたんであった千円札を取りだした。



*****


[尾田新生園]

北海道河西郡芽室町本通1丁目19番地


敬老の日、花を贈る人、限定15名の方にプレゼントされることになっております。


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