喫茶店から続く物語
男は誰だって、何と言われても、戦わなきゃならん時がある。
「北の国から'98時代」の五郎さんの言葉。
「北の国から」を撮影していた頃、俺は、映画に興味はなく、
何に興味があったかというと、
芸能人を見てみたいということくらいなもんだった。
「宮沢りえ、ほせぇ。すげぇ、ほせぇ」
俺は興奮しまくった。
もう十数年も前の話だ。
この前、高校の頃の友達と会って、
「北の国から」の話になり、
確かに、今、北の国からを見たら、
また、違った感じで観れるだろうな、
いや、今、観た方が確実におもしろいだろうなってことになり、
DVDを借りて観た。
俺の勘は当たった。
おもしろいよ、北の国から。
おもしろいっていうか、せつねぇなとか、わかるなぁとか、すげぇな。五郎さんって、
心の中で呟きながら、涙が出そうになった。
北の国からの刺激は、これからの俺が作ろうとしている作品に、
もってこいだと思って観たのもある。
そう。これから、俺は、故郷に贈る作品の準備に取りかかる。
今の生活に風穴を開けるんだって、始めたポストカード営業。
100本ノックの後、息が切れた。
パワーは、蓄えた筈なのに、日常の激流に飲み込まれそうになる。
俺は、写真を撮りに行くのと、友達に会うため、故郷に向かった。
友達が「楽雲庵塾ポストカードが置いてある喫茶店で会おう」って言ってくれたから、喫茶店で待ち合わせることになった。
店に行くと、店長のおばちゃんが「ポストカード売れたよ」って教えてくれた。
「どんな人でしたか?」って、俺は、少し高揚して聞いた。
「20代前半くらいの女性だったね。やっぱ、若い人に観てもらいたいね。うちは、年配の人が多いからなぁ」
「いや、いや、十分っすよ。それで、その人が3枚買ってくれたんっすか?」もう、嬉しくて、質問をしまくった。
目立つようにって、レジのすぐ横に、ポストカードが置いてあるのも、何気に嬉しかった。
次の日。
他の店はどうなってんだ?売れてたら、パワーもらえるだろうなって、
挨拶がてら、ポストカードを置いてもらっている店に行くことにした。
「ポストカード売れたよ。メッセージが気に入ったみたいで、年配の女性が、息子に送るって買ってったよ」
楽雲庵塾ポストカードを手にとってくれた人から、続く、その物語を想像した。
母から息子へと渡されたプレゼント。
楽雲庵塾のポストカード。
「いやぁ、嬉しいなぁ」って、励みをもらった。
喫茶店からの帰り際、俺の母よりも、少し年上の店長のおばちゃんから、
「野菜食べなさい」って、トマトをもらった。
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現在、楽雲庵塾名物100本ノック更新中。
第6話まで掲載してます。
http://www15.ocn.ne.jp/~rakuunan/kikaku.index.html
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