北海道での、ポストカード取り扱い店舗を、二桁にのせてから来週を迎えたい。
体を休めたい気持ちもあったけれど、
立ち止まると、走ること自体、億劫になりそうで動くことにした。
動いて、パワーが溜まることもある。
よし、北見に行くか。
大抵、目指す街は直感。
何となく、今回は北見って感じがした。
北見市は、北海道の東、オホーツク海圏内の中心的都市。
初めて行く街だし、のんびり行こうかと辿りついたのは、昼。
とりあえず、昼飯を食ってから動くことにした。
四角く大きな真っ白い建物。洋風な雰囲気の喫茶店で、
スパッゲティを食べ、店員さんと、ちょっとした世間話をし、店を出る時には、
猛烈な雨が降り始めていた。
1軒目の営業は、その喫茶店の隣にある雑貨屋。
店内に入ると、俺より、先に、お客さんが一人いて、
話すタイミングを待っていたんだけど、
外は、猛烈な雨が降っているから、そのお客さんも、
なかなか外に出られないみたいだった。
なんか、今日はタイミングが悪いなぁ。
そんな気がした。
俺は、ずっと店内にいるのも怪しいから、
お客さんが一人いたけれど、営業を開始した。
「うちの店には合わないですね」
あっけなく三振に打ってとられる。
それから、何軒か回るが、行く店、行く店、閉まっている。
なぜか、閉まっている。
三振に次ぐ、三振をかまし、気づけば夕方5時。
せめて、1軒だけでも置いてもらえるところを見つけたいなって、
打ちひしがれる気持ちと意地が交差する。
ふと、昼に入った喫茶店で、持ってきた名刺を思い出した。
その名刺には、「お茶と雑貨の店」と書いてあり、住所は、美幌町。
俺は、地図を広げる。
時計を見る。
閉店時間、ギリギリに、間に合うかって距離だな。
今日、最後の店に向かった。
グルグル同じ道を何回か回りながら、
辿り着いたのは、閉店、30分前。
一見して、良いな、この店と思った。
昔ながらの民家を改造している喫茶店。
店内に入っても、やっぱり良い。
半分が、雑貨を置いていて、半分が喫茶店。
雑貨の見せ方も良い。
ここにポストカードを置いてもらいたいな。
そう思った。
注文をしたアイスコーヒーがテーブルに運ばれてきた時、
店長の女性に声をかけた。
「ここって、展示とかもしてるんですか?」
「雑貨を取り扱っている作家さん達の販売会みたいなのはしてます」
店長は、そう言い、アイスコーヒーをテーブルに置く。
俺は、アイスコーヒーを飲みながら、
携帯電話の時計をチラチラ見て、
タイミングを計る。
そして、会計をするために席を立つ。
レジの前に立つ店長が声をかけてくれた。
「展示する場所でも探してるんですか?」
ここだ!俺は、用意していた封筒から、ポストカードとプロフィールを出した。
「今、ポストカードはお断りしているんですよ。なかなか売れないわりに、場所をとるんで・・・。ただ、一定期間、展示して販売するのは可能ですよ。企画を持ってきてもらえれば考えます。うちの店に合うようであれば展示しますよ。2階もあるんで、よければ見てください。セピア色の写真が合うと思います」
店に何人か、お客さんが入ってきた。
やっぱり、今日は、タイミングが合わない。
「2階を見せてもらいます」
俺は、階段を登って、2階に上がった。
そこは、昭和の空気が満ちていた。
古雑貨とでもいうのだろうか。
店内に合う鞄や時計なんかが販売されていた。
やっぱ、良いな、この店。
俺は、自分のばあちゃんや、
昨年、個展をする際に、写真を撮らせてもらった、
花のついた帽子をかぶっている、じいちゃんを思い出した。
あの写真は合うなと考えながら、2階のスペースを見終わった。
階段を降り、閉店間際の店内は、お客さんでいっぱいになっていた。
店長にお礼を伝え、また、いつか来たいと思う店を後にした。
そんな三振ばかりを喫した一日。
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[REDdays]
時:2008年7月2日〜7月9日 12:00〜20:00
場所:GALLERY N7(新潟市中央区東堀通5-443)
※楽雲庵塾から1点、出展しています。
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←最後まで読んでくれてありがとう。現在、小説・ノンフィクション部門、第5位。なかなか3位以内に入る道は険しい。
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