「アイスコーヒーをください」
夏だろうが、冬だろうが、コーヒーは、好んでアイスコーヒー。
俺は、アイスコーヒーを注文し、店内を眺める。
所狭しと並ぶ小物は、年齢が高めの人の好みに設定されているようだった。
店内は、俺と、店員のおばちゃんが2人の合計3人。
1人のおばちゃんは、厨房のようなカウンターの裏に行き、
コーヒーが出てくるまでの間、俺は、もう1人のおばちゃんに話しかけた。
「ここって、何か、展示みたいなこともするんですか?」
「展示はしてないんですよ。小物の販売が中心ですね」
店員のおばちゃんと、ちょっとした世間話をしていると、コーヒーが出てくる。
ホットコーヒー。
ホットコーヒーに、ミルクと砂糖を入れながら、俺は、心の中でつぶやく。
今回は、コーヒーは二の次だ。ポストカードの営業に来ているからね。
すると、厨房に入っていたおばちゃんが顔を出し、
「アイスコーヒーって言わなかったかい?」と、もう一人のおばちゃんに言う。
「いや、良いです。このままで良いです」俺は、そう答える。
心の中で、「今だ!」と封筒を出す。
プロフィールとポストカードを出し、話を始める。
びびりながらやっていた営業は、場数を踏んでいるうちに、ステップは、軽やかに刻み出した。
ただ、オーナーや店員に、向かい合う時は、少しばかりの緊張が走る。
ポストカードを見てもらう状況を作るまでの勝負。
A4サイズの用紙にプロフィールを作ってからというものの、
試合に持ち込むまでの流れは、自然と変化を遂げた。
それまで、名刺を出し、名を名乗っていたが、
名刺の変わりに、プロフィールを出し、ポストカードを出す。
同時に、名を名乗る。
おばちゃん2人は、ポストカードとプロフィールを代わる代わる、何度も何度も眺める。
沈黙が流れる間、ちょっとふざけた感じのプロフィールを心配する。
「好きなことをみつけるってのは大変だよね。インドに一人旅かい。なかなか苦労して、ここまで来てるんだね」
意外な答えが返ってきた。
苦労なんて微塵も感じないくらい、笑いをちりばめてるんだけど、
読む人によって、若干の受け取り方は変わるんだなって、考えている俺に、さらに話は続いた。
「見ての通り、ここは年齢が高い人が来るからね。大学の近くだけど、今の大学生は喫茶店なんて入らないみたい。私達みたいな年齢が高い人が、あなたのポストカードをどれくらい理解するかっていったら難しいかもね。気にしないでね。いろんな意見を聞くのも良いでしょ」
ここに置いてもらうのは、厳しいかなぁって思っていたら、
もう一人のおばちゃんが、「何枚か置きましょう。私たちも頑張っている人を応援したいから」とポストカードを選ぶ。
ポストカードを選び終え、「このプロフィールって、何枚かあるの?」とおばちゃんが言った。
「いっぱいあります」俺は、ファイルに入っているプロフィールを何枚か差し出す。
「宣伝しておくから、がんばんなさい」
「がんばんなさいよ」と、おばちゃん2人は何度も何度も言ってくれた。
そのたびに、俺は、何度も何度も、「ありがとうございます」とお礼を伝えた。
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今回、登場した楽雲庵塾ポストカードを置いていただいている店
ギャラリー賀
住所:北海道旭川市旭町1条9丁目
TEL: 0166-53-8795
※6種類置いてもらっています。
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[ARTs*LABo P-web04]
時:2008年6月1日〜6月30日 1ヶ月間開催
会場:ARTs*LABo P-web04特設サイト
http://poscaten.nomaki.jp/web/top.htm
web上のポストカードイベント。
今なら、ネット上でも、楽雲庵塾ポストカードを観ることができます。
6月中ですよ〜!
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[楽雲庵塾4周年記念Tシャツ]
ただいま募集中!
6月23日〜6月29日まで。
日曜までね。
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