どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

流れ者

ホテルの屋上は、洗濯物を干す場所になっていて、心地良い風が吹く。
そこにあるベンチに座り、綺麗な女性は、可愛い女の子に話かけた。

「あの花はね。あんたが割っちゃった花。・・・アネモネっていうの」

可愛い女の子は、うつむいて、その話を聞く。

「風って意味なの。風に吹かれて、すぐ散るからって説もある。けど、本当は違うの。わかる?」

心地良い風は、二人の髪を揺らす。
屋上から見える景色は、山が見え、街が小さく見える。
二人は、遠い、その景色を眺める。
女性は、話を続けた。

アネモネの種は、風に乗って、どこまでも飛んでいくの。遠いどこかで、必ず、生き返ろうとする花なの。・・・必ず。何があっても、また咲こうとする頑張り屋なの。アネモネみたいになれたらいいね」

そう綺麗な女性は、ゆっくりと話しかけ、可愛い女の子は、じっと話を聞いた。


俺は、その二人の会話を眺めていた。

テレビごしに。
そして、その会話に出てきた言葉に耳を疑った。
アネモネアネモネって花の名前なのか?

アネモネという名前を聞いたのは、今回が二度目だ。
初めて聞いたのは、つい数日前。
この間、読んでいた本に登場した女性の名前。

なんだろう、この偶然。
たまたまだけど、たまたまが重なると、何か、意味があるように感じる。

俺が観た映画は、「ホテルビーナス」。

ホテルビーナスには、わけありの流れ者が辿り着く。
抱えきれないものを抱え、辿り着く。

その映画に出てくる言葉が、何度も、心に染みわたる。
今の自分に重なる部分が多いのだろう。


その映画を薦めてくれた友達は、同じ空の下、何を想い、生活しているのだろう。
俺等は、別々の場所で、生まれ、育ち、たまたま辿り着いた新潟で出逢った。
本当、偶然に。

ホテルビーナスから、発せられた言葉は、
その友達からのメッセージにも聞こえてきた。
また、この映画を観た時は、その友達のことを思い出すだろう。


元気だろうか?って。


俺は、今も、しょっちゅう思い出してるよ。
映画を観なくても、思い出している。


*****

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