ひさびさの仙台。
その日は、ちょうど、桜の開花の日と重なった。
結婚式場につき、ひさびさに再会した面々。
ひさびさの会話に花が咲く。
式の時間となり、控え室から出て、エレベーターに向かう途中だった。
「ホームページ、見てます」
そう、俺に声をかけてくれたのは、同年代の男性。
その日、結婚する友達の友達らしい。
その人は、楽雲庵塾の感想を話してくれた。
まだ出逢っていない楽雲庵塾を見てくれている人と、出逢えることは、本当に嬉しい。
しかも、そこに感想がついてれば、なおのこと、嬉しくなる。
「また後で、ゆっくり話しましょう」
そうは言ったものの、結局、どこにいるのかもわからず、友達や先輩、後輩と話をしていたら、披露宴も、二次会も、あっという間に終わっちゃった。
「いつか、この楽雲庵塾に、メッセージを残してくれたらなぁ」
結婚式が終わった後に、そんなことを思い、仙台の街を後にした。
結婚式の翌日に、再び、北海道に戻ってきたんだけど、道中、一本の電話が鳴った。
その電話は、結婚した友達からだった。
「無事、帰ったかと思って電話した」
「今、帰ってる途中だよ」
何の話からか、以前、その友達から、おみやげでもらった白虎刀の話になる。
「あの白虎刀に書かれているメッセージ、読んだ?」
「刀の表に、名前と、日付が入ってるのは見たけれど、中身は開けずに、ずっと、ショーケースの中に飾ってたよ」
「じゃあ、数年越しのメッセージだね」
あの白虎刀に、そんな仕掛けが隠されてたのかと、自宅に帰り、早速、手にとった。
刀の表面、つまり、鞘(さや)の部分にはこう書かれている。
「男塾仙台支部長。隣には名前」
(楽雲庵塾塾長を名乗る前、男塾塾長と名乗ってた)
鞘の裏には、「平成十四年九月二十二日」と日付が記されている。
今から6年前。
ここまでは、以前に見た。
「この中にもメッセージが書かれてるのか?」
袋に入っている白虎刀を取り出すため、微妙に貼られているセロハンテープを剥がそうとするも、年数が経ちすぎていて、なかなか剥がれない。
やっと、袋から刀を出し、鞘から刀を抜く。
確かにメッセージが書かれていた。
「笑え 泣け 無駄に生きろ 無駄に行け 喜べ 悲しめ 散り逝くならば 咲き誇れ」
6年越しのメッセージ。
俺のもとに届く。