凡の花

いろいろあるけれど、それでいい

10 第1話

ここに綴る言葉を6人に感謝を込めて贈る



「記録より記憶に残せよ」
カメラをいじくっている俺に、友達が声をかける。

よくよく考えれば、親父から受け継いだこのカメラは、
ざっと計算しても、最後に親父が撮っていたのは、
俺が、高校野球をしていた時のこと。
もう10年は月日が流れている。
電池がなくなって当たり前で、
今更ながらに気づく。

「ここで撮った写真を作品として残したいんだよなぁ」
俺は、心の中でつぶやき、これから、仲間で集まる前に、カメラ屋に車を走らせる。


「このカメラに合う電池ってありますか?」

「もう、国内では製造していませんね。ただ、この蓋を使い、この電池を使えば、たぶん、使えます。ただ、ちょっと高いですよ」

確かに、電池としては高い。蓋と合わせて3000円。
「ここは、けちるところじゃない」
ということで、その電池と電池の蓋を買い、
再び、俺は、その集合場所に戻る。
再び、カメラをいじくる。


買ってきた蓋、一回り小さく、
残念ながら、蓋、意味を果たさず、
電池をセロハンテープでつけるが、カメラ反応せず。
もがくが、うんともすんともいわず、
仲間が一人、また一人と集まる中、
俺は、再び、コンビニに車を走らせる。

いつ以来だろうか。
使い捨てカメラを使うのわ。

その使い捨てカメラで、
今という時間を止める。


俺等が集う場所は、町内会の集会所。
神社の中にある集会所。


俺等が集うようになったのは、6年前に遡る。