俺達は、結婚式に向かう途中、
除雪車を追い越そうとして、ハンドル操作を失い、
歩道を乗り上げ、雪山に激突した。
あれは20代前半の冬。
北海道。
俺達と言っても、2人しかいなく、
友達が、車のアクセルを踏めば、
おのずから、俺が、車を押すしかない。
押す矢先から、「こんなの無理に決まってる」と、
心の中でつぶやいた。
そうこうしていたら、ラッキーなことに、
親くらいの年代の夫婦が、助けてくれた。
俺達は、「ありがとうございました」と、その夫婦に伝え、
ラッキーだったとお互いを讃え合い車に乗り込んだ。
「いいか、結婚式では、このことは、絶対、口にするな。滑るってのは、縁起でもない」
俺は、これから受験を迎える友達と勘違いしたかのような、
「とりあえず、滑るってのは、縁起でもねぇぞ」って、
ハンドルを握る友達に言った。
友達もうなずき、俺達二人だけの内緒ってことになっている。
この前の土曜日の夜も、横転してもおかしくない道だった。
除雪車の後ろをチンタラ走る。
「油断するんじゃねぇぞ。楽しかった後に、事故るほど、虚しいもんはねぇ」
そんなことを思いながら、慎重に急いで帰った。
土曜日。ひさびさに再会を果たしたのは、
昨年の7月、楽雲庵塾展の時に出逢った人達。
「ひさびさに新潟に遊びに来る」って聞いたから、
その日を楽しみにしていた。
その後も用事があって、2時間くらいしか会えなかったんだけれど、
また、再会できたのが嬉しかった。
同年代は、同年代で、特別な連帯感みないなのがあって楽しいが、
いろんな年代の人達と出逢えるのも、また嬉しい。