「¥555」
「おっ」
そう、俺は心の中で、つぶやき、目は少し、カッと開いた。
レジに並んだ5の数字が3つ。
ちょっとしたラッキーを味わい、
俺は1005円を店員に渡し、お釣りを受け取る。
外はあいかわらず雪。
今日、一日、強い風に、ひっきりなしの雪。
首を引っ込め、車に乗り込み、家路についた。
夕飯を食ったのに、夜中になると、再び、腹が減ってくる。
よくある話だ。
そうこうしていると、待ちに待った3分。
お湯をきるため、焼きそばを持ち、傾ける。
ボットン
銀色の台所に、白い麺。
見るからに全部。
ふたを開けたら、少しのお湯とかやく。
残っている麺はカス。
「楽しみにしてたのによ」
こんな寒い中、再び、ハンドルを握る意欲もわかず、
部屋に戻り、ストーブの前に座る。
「特製ソース」
スタンバイしていたソースの袋を眺めながら、
「特製」ってのが、何か虚しいなと、
俺は、溜息を飲み込む。
良いことがあれば、悪いこともあり、
悪いこともあれば、良いこともある。
よくある話だ。
特製ソースは、お湯の前には入れるなよ。
それは、それで悲しい話だから。