北の凡

いろいろあるけれど、それでいい

その小包にユーモアを詰めて贈る


「1つ辛いことがあったら、また連絡をちょうだいよ。1回、笑わすからさ」


そう言って、異国の地で、奮闘している友達と電話をしたのが数ヶ月前。
そして、先日、再び電話をした。

俺は、数ヶ月前に言った、言葉を覚えていたけれど、
友達が辛い話をしている時に、笑わせる話なんて思いつかず、
電話口で、ただ、ただ、うなずいた。

友達は近況を話し、
「あなたの本が欲しいから送ってよ。金を払うから」と言ってきた。

本と言っても、実際の本の形にはなっていないから、
パソコンから印刷して、ファイルに詰めて送るというものだけど、
それでも良いと言う。

「あと、暇つぶしに、本も買って送るよ」と俺は約束し電話を切った。


今日、金城一紀の「レボリューションNo.3」を買ってきた。
この本を同封するつもりだけど、たぶん、読んでいないはずだ。
いや、俺は、自分がおもしろかった本は、人に話をするから、
もしかしたら、その友達にも話しをしていて、
読んじゃっているのかもしれない。
まあ、同じ本を2回読んだとしても、良いもんだ。
また違うことを感じるかもしれない。

俺もひさしぶりに出た金城一紀の新作「映画編」を買ってきた。
近々、読もうと思う。

俺の本と、金城一紀の本と、笑い話を書いた手紙を添えて、
明日にでも、贈ろうと準備をしている。

金城一紀の本が、一番おもしろかった」っていう感想の手紙が返ってきたら、
俺はいじける。いや、ひく。


そういえば、前回の日記で、花のついた帽子のおじいちゃんと
俺の母さんに贈ったプレゼントの話を書いたけど、
そのプレゼントがそれぞれの手に渡った。


花のついた帽子のおじいちゃんには、俺の通勤途中に会った。

「いつ会えるかわからないから」と思って、
車にプレゼントを用意しておいた。

「いたぁぁぁ!」俺は心踊らせ、車を止めて、
おじいちゃんのところに駆けていく。

おじいちゃんは、写真を1枚だけもらおうと思っていたらしく、
それがアルバムだったから、「金を払う」ということになって、
「俺の気持ちです」って、俺は言ったんだけど、
「それはだめだ」と、夏空の下、
子どもの頃、ばあちゃんとのお年玉のやりとりみたいな展開を何度か繰り返し、
俺は通勤時間に、ちょっとした渋滞を巻き起こした迷惑な奴になったという苦い思い出を作った。

母さんのほうは、「ありがとう。飾っておくね」というメールが届いた。
たぶん、欲しかったモノは当たっていたんだろうと、
俺は勝手に思っているんだけど、本当のところはわからない。




★★★

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