楽雲庵塾展、最終日の7月16日。
震度6強の地震が俺を襲った。
「何で、今日なんだよ。最終日なのによ」
俺は、外に出て、辺りを見渡し、職場を確認し、
「これなら、まだ行ける」って思って、
楽雲庵塾展に向かうことにした。
2日間、楽雲庵塾展に来てくれた人が、すごい温かくて、
ありがたくて、最終日も、直接、お礼を言いたかった。
楽雲庵塾展で出逢った人が、愛知に帰る日に、お別れを言いたかった。
めっちゃ気合い入れて、やってきたものを最後までやり遂げたかった。
ここで、行かないと、いろんなことが、中途半端で終わるような気がして、どうしようもなかった。
車を走らせて、「これは、やばいかもしれない」っていう想いが巡る。
道路は、ヒビ割れ、ボコボコになり、
電柱は、傾いているところもあるし、
家が潰れている人もいる。
どこもかしこも、道路は通行止めになる。
「もう、行けないかもしれない」と思うと、悔しくてたまらくて、
次々に携帯電話がなり、心配してくれる人がいることが嬉しくて、
何がなんだかわからない涙が出てきて、
泣きながら、進んだ。
準備する日も泣き、
最終日も泣いてるなって、
ふと思い出す。
救急車とすれ違い、
消防車とすれ違い、
自衛隊とすれ違う。
何か、今度は、自分が、逃げている気分になって、
罪悪感を感じ始めてきて、
どの行動が正しいのかもわけがわからなくなる。
ただ、目の前に、助けを求めている人がいる時だけは、
何よりも優先しようとだけ、決めて、
前に、前に進む。
やっとのことで、会場のN7に着いた。
滞在時間としては、2時間いたかいないかだったけど、
その時の状況での、自分の最善は尽くせたと思う。
あとのことは、これから。
俺は、大丈夫。
じいちゃん、ばあちゃんや、
小さい子どもや、その家族や、
障害をもっている人や、
家が壊れちゃった人が、
すぐそばにいる。
俺でも役にたつだろうか。
がんばろう。