なぜか、俺の体が無性にカレーライスを求めている。
ここ、2日間、外食は、カレーライス。
家では1週間続けてカレーライスもないこともないが、
2日連続、外食でカレーライスを食うのは、生まれて初めてのことだ。
カレークックと呼ばれても、致し方ない。
そして、俺は三度(みたび)、カレーライスを買いに、コンビニに向かう。
もう止められない。
残念ながら、俺とは別に、カレーライスに犯されている人がいるらしく、売り切れ。
不本意ではあるが、高菜チャーハンを買い、家路に向かう。
その高菜チャーハンを食い、
「そういえば、番号がわからない電話が入っていたっけ」と、
その電話番号に電話をする。
教育実習の時に出逢った生徒からだった。
12月に連絡が来た生徒から、また別な生徒へ。
どんどん伝えていって欲しい。
40人から、入れ替わり立ち替わりで、電話が来れば、
1ヶ月は、幸せな日々が保証されている。
今回、連絡が来た生徒は、半ば、ライバルのような存在。
お互い、野球をこよなく愛し、
教育実習の時は、「このほうきで構えてみろ」と、
バッティングホームをチェックし、
キャッチボールもした。
キャッチボールのはずが、
その生徒は、どんどん離れていく。
それは、キャッチボールの領域を出て、もはや戦い。
どちらの肩が強いか。
大人気ないとかは、関係がない。
そこは、野球人対野球人。
野球への情熱は、負けたくないんだ。
テレビゲームの野球ゲームすら負けたくない。
その生徒は、卒業式の日に、みんなの前で、
「俺、プロ野球選手になります」と宣言したらしい。
そんなところも、なんとなく似ている。
「俺に負けないくらい、人生を楽しめよ」と、
電話を切り、思い出にふける。
昔、もらった生徒からの手紙を読み、
もらった写真を見る。
早いもので、その頃、出逢った生徒達も25歳。
7年の時が経過している。
もう、俺のことは忘れたかもしれない。
当たり前ちゃあ、当たり前。
たった2週間という時間を共有したに過ぎない。
俺にとっては、変わらず、かげがえのない2週間で、かげがえのない存在。
それで、良いと思っている。
俺だけの片思いだと思っている中、
こうして、連絡をくれると、
ただ、それだけで、その日は、良い日となる。
みんなは、今も笑っているだろうか。