ジョージアを買い、煙草を吸って、始まる朝。
「いい加減、ジョージアも飽きたぞ」と思いながらも、
いつも行く店の前の自動販売機には、ジョージアしか置いていない。
コーヒーはジョージアしか売らないと言わんばかりの固い意志を感じる。
あそこの店は、ジョージアで、もっているんじゃないのかというくらい、好調な売れ行き。
ちまたじゃあ120円なのに、その自動販売機は110円。
お客さんの心をつかんで離さない。
いや、ジョージアばかりで、離れそう。
そんな微妙な関係のジョージアと俺。
同じように繰り返す朝に、
ここのところ一人の老人と出逢う。
出逢うと言っても、俺は車の中、
そのじいちゃんは歩き。
だから、すれ違うだけ。
すれ違うだけだから、
話したこともないし、
俺だけが気になっているだけ。
そのじいちゃん。
帽子に花をつけて、歩いてるんだ。
たぶん、健康のために、散歩をしていると思うんだけど、
そのじいちゃんが楽しそうに見えてくる。
毎日すれ違っていると、今日の花はどんな花だと気になるから不思議。
昨日なんて、「それにしても見事な花だ」と思いながら見ている俺。
「じいちゃん、長生きしてよ」と、散歩が楽しくなるために、ばあちゃんが作っているものなのか、
はたまた孫からのプレゼントなのか。
じいちゃんとその帽子にまつわる物語を一人想像する。
話たこともない、名前も知らないじいちゃん。
俺も負けじと、楽んで生きます。
また、明日の朝に会いましょう。