あれは、何年前の冬の話だっただろうか?
すごい吹雪いていた寒い日。
友達からきた、彼女にふられたという電話。
「俺んちに来るか?」って、ことになり、車をとばすこと数時間。
たまたま、その友達から電話が来た時に、
もう一人の共通する友達が、遊びにきていて、
一緒に、話を聞いた。
思っていたよりも、
どん底にいた友達。
俺は、どうすることもできなくて、
どんな言葉をかけていいかも、
わからない、そんな状況だった。
無力。
人は、自分の力でしか、
どうすることもできないのかって思った。
あれから、その友達は這い上がり、
好きな人ができて、結婚し、子どももできた。
2ヶ月後には、もう一人の子どもが誕生する。
数日前、その友達から、「入院した」っていうメールが来た。
すぐに退院できるだろうと、気楽に考えていたけれど、
電話で話した時に、思いのほか、辛そうな友達。
メールだけではわからなかった、不安な気持ち。
明日、手術することになった。
やっぱり、俺は無力で、俺にはどうすることもできない病気という馬鹿野郎。
本当にどうすることもできないから、心配ばかりがつのる。
今日、電話をした時は、
「頼むから、がんばれ。ここだけは気合いをみせろ」と、言って電話を切った。
ここ5〜6年は、使っていなかった「がんばれ」って言葉。
あと、俺にできることといったら、
「お願いします。本当にお願いします」と、
ラッキーの神様にお願いするしかない。
なんでも、ありませんように。