高さ約25センチメートル。
誰よりも高い位置に、位置する投手というポジションは、
守備でありながら、唯一、攻撃的。
「1」という数字は、特別な数字。
誇り高き番号。
その数字を背にしょっている男を、
人々は「エース」と呼ぶ。
野球をしている者達にとって、
その場所は憧れの地、
特別な場所、
甲子園。
その甲子園の最後のマウンドに立つ2人のエース。
駒大苫小牧、田中将大。
早稲田実業、斎藤祐樹。
延長15回を投げきり、
与えた得点は、両者1点のみ。
何度か訪れた絶体絶命。
そんな絶体絶命を乗り越え、
その高さ約25センチメートルのマウンドから、
雄叫びをあげる。
少しでも背を向けた者には、
襲いかかる敗北という現実。
弱気になった時点で、
敗北は、一歩、一歩、近づく。
その2人のエースは、
強気、強気、強気。
熱い、熱い夏。
熱い夏は、まだ終わらない。
本日、再試合。
主役は、どっちだ?