どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

北海道を想う二人の旅人が三重県で出逢う


三重県伊勢神宮
遠い昔から、「一生に一度は見てみたい」と人々が目指した場所、通称、「お伊勢さん」。
日本人の旅の原点だと聞けば、行かずにはいられない、それが旅人。

昔から、この地にいて、訪れる人々を見てきた樹々が生い茂る中、
「急いで観るような場所じゃない」
そんな気分になり、俺は、ゆっくり、ゆっくりと歩く。


伊勢参りをした後は、松坂市へ。
「ここはけちるところじゃねぇ、けちるところじゃねぇ」と、
松坂牛を食べるため、店の前で待つ。

地図を見ていると、ある人物の名が目にとまる。


松浦武四郎


「北海道にゆかりのある人だよな。何で、三重県に記念館があるんだ?」と胸、踊る。
胸は踊れど、松浦武四郎と北海道に、何らかの繋がりがあるというくらいの知識しかない。

そんな中、静かな館内で、心、奪われる。

最初に目に飛び込んで来たのは、
「北海道の名付け親」。
北海道という名前だけにとどまらず、北海道にある地名も、この松浦武四郎が考えたらしい。
アイヌ民族と交流があり、アイヌ文化を尊重し、
その地名にはアイヌ語が使われた。
北海道の地名が、アイヌ語を元に、つけられたのは、知っていたけど、この松浦武四郎が、その案をだしたのか・・・。すげぇ。

松浦武四郎が北海道を初めて訪れたのは、28歳。
俺が、三重県を初めて訪れたのも、28歳。
奇遇。

さらに、その生き様を知れば、知るほど、今、現在の俺の想いと重なる。

松浦武四郎は、伊勢神宮に、日本各地から訪れる人々を見て、いつか、自分も、自分の目で、いろんな場所を観て見たいと想いを募らせ、16歳から、日本全国を歩き周る。そして、帰ってくると、本の執筆をした。

今回の旅の最後にふさわしい出会い。
北海道にゆかりのある人物、偉大なる旅人に出会えるなんて思いもしなかった。


こうして、紀伊半島の旅は終えたが、今回の旅は、もう一つの目的がある。
それは、また明日。