どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

いにしえより贈り続ける感謝の気持ち


その昔、一人の天皇が、この地を去る時に、
民との別れを惜しんで植えた一本の桜の苗木は、
今もなお、花を咲かせる。
いにしえより伝わる桜。

三大桜の一本で、
名を根尾谷の淡墨桜と言う。

これまた観てみたかった一本。
これで、三大桜をすべて観たことになり、
同時に桜王の称号を得ることに相成りました。
2006年、桜大祭り。

淡墨桜は、三度、色を変え、三度、民を楽しませる。
一度目は、蕾の時、薄紅色に、
二度目は、満開の時、白色に、
そして、三度目は、散る時、淡い墨色に。

今年、桜を眺めている時に、
桜がでっかい花束のようだと思った。

別れを惜しんで植えられたこの桜は、
この地に住む民へのお礼として、
贈った贈り物。
贈り物のでっかい花束は、
毎年、一年に一度、咲く。
何度も、「ありがとう、ありがとう」と言うように。


その色、淡く切なく千五百余年。
いにしえより、贈り続ける感謝の気持ち。