どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

杜の都と牛タン

もうちょいで春かと思えば、一気に冬。
すごろくで言えば、ふりだしに戻ったような今日の天気。
みなさんの住んでいる街はどうですか?
俺が住んでいた仙台の街はどうですか?

俺は杜の都、仙台に住んでいたことがある。
仙台といえば、七夕、松島、そして牛タン。

仙台と言えば、牛タンだなってことになり、
まかないが出るだろうという安易な考えもあり、
牛タン屋でバイトをしていた。

今日の日記は、その牛タン屋でバイトをしていた話。

牛タン屋であるにもかかわらず、制服はまさしくコック。
俺はずっとプロ野球選手に憧れて、少年時代を過ごしていたんだけど、
コックにも少しだけ憧れたことがある。
あの長いコック帽はかっこいい。
思いもしなかったコック帽をかぶり、まさしくコックの格好をして、バイトをすることになった。

来る日も、来る日も皿洗いと米とぎから始まったこのバイト。
俺は友達に「俺がバイトをしている店に来いよ」ってな話をした。
そして、友達は食いに来てくれた。
皿洗い、米とぎくらいしかさせてもらえないペーペー。
せっかく友達が食べにきてくれたからということで、サービス精神が働く。
だけど、俺はペーペー。
ご飯を大盛りで出すしかできなかった。
盛っては、固め、盛っては固める。
日本昔話に出てくるような大盛り。

少し、ステップアップすると、今度は皮むき。
じゃがいも、にんじんの皮をむく。
その後、履歴書の欄の俺の特技は皮むきになる。

さらに、ステップアップをし、最終段階にさしかかると、
とうとう牛タンを焼くまでに至る。
まさしく花形。
肉は7割を焼き、裏返して3割焼く。
それが一番旨い状態。
ここで、俺の眼鏡は炭火の光熱により使えなくなる。
1ヶ月のバイト代がすべて眼鏡に変わる。


俺がバイトを辞めて、数年後、牛タン屋は狂牛病の打撃をうけた。
狂牛病の打撃はうけたけれども、いまだに、バイトの仲間とは連絡をとっている。
仙台を訪れた際には、牛タンを食ってみてください。
うまいです。