俺はよく人、間違いをされる。
すれ違う人に「私の弟に似てる〜」って言われたり、
タバコを吸っていたら、ばあちゃんが寄ってきて、「○○かい?」と声をかけられたり、
とにかく人、間違いされる。
一番、最初はおそらく高校の時。
俺は電車通学をしていた。
駅前で同い年くらいの人が声をかけてきた。
名前があってる・・・。
俺は必死で考えた。
『どこで会ったけ?』
しかし、思い浮かばない。
電車の時間も近づいている。
この電車に乗り遅れたら、次は数時間後しかない。
俺は電車に乗り遅れそうだから焦った。
「人、間違いだと思います。すみません。俺、電車に乗り遅れそうなんで」って言って、その場を去った。
名前があっている、人、間違い。
いや、どこかで会っているのだろうか?
いまだに、その人の顔を覚えている。