どんまい

いろいろあるけれど、それでいい

うちに帰りたい

パ・リーグクライマックスシリーズの結果をニュースで知った。西武のファンではないけれど、10年ぶりだし、広島対西武が見たかった。だけど、西武が負けた。残念。

 

最近の関心ごとは、25日に開催されるドラフト会議。金足農の吉田と、大阪桐蔭の根尾の行き先。巨人は、根尾の獲得に動くみたいだけど、吉田の方が良いのではないか。じゃあ、根尾は?今、ショートを必要としているチームはどこか?本棚にある選手名鑑を出して来てみたが、その選手名鑑が、今年のものではなく、昨年のものだったので、いまいち、どこのチームが良いかはわからず、そんなことを考えていたら、21時頃に寝ていた。

 

朝、起きて、ばあちゃんちに向かうために、ひさしぶりに高速道路を車で運転した。車の中でも根尾にとってのベストなチームを考えて、中島がいるけど、日ハムが良いな、と思った。日ハムに入ったら、直接、試合を見ることもできるし。直接、球場に足を運んで見たい選手。日ハムは、その年で一番という評価をしている選手を取りに行く方針だと何かで聞いた。たとえ、競合しても。その方針は巨人も取るべきだと思ってる。巨人は、スーパースターを育てるべきだ。松井のような。ここ何年かは、日ハムの試合ばかり見ているので、巨人熱が、完全に冷めているが、巨人が強くなければおもしろくない。

 

そんなことをつらつら考えながら運転していたら、10時にばあちゃんちについた。私の両親、親戚のおじさん、おばさんが会いに来てくれた。近況を訊いて、ばあちゃんがいる特別養護老人ホームに行った。ばあちゃんは、食堂のような広い場所のテレビの前で座っていた。開口一番、「うちに帰りたい」と言った。「うちにいる猫と一緒に暮らす」と。ばあちゃんちには猫はいない。私が小学生の時に、ばあちゃんちの物置に勝手に住み込んだ野良猫がいたのは覚えているけど、ばあちゃんちで猫を飼っていた記憶はない。「帰りたいよね」とばあちゃんに返した。親戚のおじさん、おばさんたちは、施設の職員と会話を交わし、私とばあちゃんがいるところに来た。ばあちゃんは、親戚のおじさん、おばさん、私の母に向かって、うちに何度も帰りたいと言った。ここには大勢の人がいるが、知らない人ばかりだと言った。とことこ一人で歩いて帰ると言った。ばあちゃんは、9月に96歳になった。私からみると、96歳なのに、元気だと思うけど、親戚のおじさん、おばさんたちは、ばあちゃんが「うちに帰りたい」と言うたびに困った顔をしていた。私は、「今度、ゆっくり来れた時に、おれがうちに連れてくよ」とばあちゃんに言った。ばあちゃんは、「おまえはいつ来るかわからない」と言った。そのとおりだと思った。

 

ばあちゃんに、「また来るよ」と言って、親戚のおじさん、おばさん、両親とラーメンを食べに行った。親戚のおじさん、おばさんたちは、テレビを見ながら、昨日の駅伝の話をしていた。ラーメンを食べ終わり、ここはおれの出世払いで、と私が言うと、親戚のおじさんが、「もっと出世してからで良い」と言った。私は、「これ以上の出世は見込めないから、今日、払うと言ったけれど、お金を受け取らなかった。今後も、私の出世払いは訪れないな、と思った。

 

ラーメンを食べた後は、昔、住んでいた町の整体師に体を診てもらったり、よく行っていた神社に詣でたり、ブックオフに行ったりしながら家路についた。そして、また、ばあちゃんが言っていた「うちに帰りたい」と言う言葉を反芻した。早く死んでしまいたいくらいのことを言っていた。私は、周りの人も、長生きしたくないと言っていたのを思い出した。体も自分の思うように動かなくなり、いろんなことが自分でできなくなっても、自分の望むような生活を送り、最期を迎えることができるようするためにはどうしたら良いか。親戚のおじさん、おばさんも長いこと自分たちの生活がある。ましてや、おじさん、おばさんも70代で、すぐにでも介護が必要な年齢だ。私は、AIの介護ロボットが一番、良いと思うけど、仮に実現しても、それは、自宅を買うくらいのお金だろう。実用的になるのは、もっと、もっと先。私ができることは限られている。私ができることは身近な大切にしているのために動くこと。家族もそうだし、友達も。だけど、ばあちゃんのために力になれることも限られている。主にばあちゃんをみているのは、一番、近くに住む親戚のおじさん。私が、ばあちゃんを家につれて帰ってこれるとしたら、年末年始だな、と思った。

何者かになりたいと思ったことがある人に読んでもらいたい1冊

私の自宅の本棚には野球コーナーがあるんだけど、ほとんど読んでいない。

 

やっぱり野球は観るのが楽しい。読むのは、新聞や雑誌くらいの文字量がちょうど良い。今年も、高校野球関連の雑誌を買って読んだ。おすすめの雑誌は、後日、気が向いたら書こうと思っている。

 

そんな私が、「スローカーブを、もう一球」を手に取ったのは、甲子園に向かう日。野球に関係する本を読みたい気分になった。

 

行きの飛行機で読んでいたら、機内に忘れていることに気づき、すこし凹んだ。帰りの空港で、スタッフの方に訊いてみたら、忘れていた本が見つかって、帰りの飛行機の中で、続きを読んだ。

 

スローカーブを、もう一球 (角川文庫)

スローカーブを、もう一球 (角川文庫)

 

 

タイトルが、「スローカーブを、もう一球」なので、野球の話かと思いきや、野球だけではなかった。

 

ジャンルは、スポーツ・ノンフィクション。

 

全部で8編が掲載されている。野球の話は4つで、残りの4つは、一人乗りボートでオリンピックを目指す人の話や、ボクサーの話、スカッシュの選手の話、棒高跳びの選手の話。

 

1980年代の本で、ところどころに歴史を感じるんだけど、その人の人生に焦点を当てられているので、時代に関係なく、引き込まれる。

 

スカッシュ全日本選手権初代チャンピオンである坂本聖二さんの物語に、こんな一節がある。

 

ちなみに坂本さんは、車のセールスマンをしながら、スカッシュを続けた。

 

恐らく、彼の心の中には、誰もがそうであるように仕事だけでは埋められない空洞があるのだ。彼の場合、その空洞はスカッシュのボールの形をしている。1ヶ月に車を10台売った。なかなかの成績だ。20台売った。驚異的な数字だ。しかし、だからといってどうしたというのだろう。空洞は埋まらない。例えば結婚して、子供を作ったとしよう。それでも埋まるものではない。あるいは、そんなことで埋められない何かがあるのだと自ら信じ込むほどに、彼はエゴイスティックである。(「スローカーブをもう一球」山際淳司

 

仕事では埋まらないのか・・・。私は、仕事で埋めようとしていたかもしれない。

 

坂本さんだけではなく、この本に登場する人物達は、何者かになろうとした。そんな私も、20代の頃は、そんな意識が強かった。

 

最近、大切にしているのは、日々の営みの中にある、ご飯がおいしいだとか、天気が良くて気持ちいいだとか、誰かと会って嬉しいだとか、そんなたわいもないことを積み重ねて行く方が、自己実現よりも大切なのかもしれないと思っている。それは、女子学生、渡辺京二に会いに行くを読んでから。

 

 

ただ、一方で、何歳になっても、夢を持つことは大切だとも思っている。叶うか叶わないかは関係ない。叶えようとしている過程で、すでにその人の生活は活き活きとするから。

 

ぼくは目標を失って、自分の身の置きどころを失ったように不安でした。哀しくて、むなしくて、どうにもならなかった・・・(「スローカーブをもう一球」山際淳司

 

スローカーブを、もう一球のこの一節を読みながら、先日、Number Webで読んだ清原和博さんのことが書かれている記事を思い出した。

 

関連記事:「夢なのか、現実なのか……」清原和博は甲子園決勝で何を見たか。 - 高校野球 - Number Web - ナンバー

 

清原さんが自分で望んで、100回目の夏の決勝を甲子園で観たという。

 

今もなお、苦しみの渦中にいる清原さんが、甲子園から力をもらったと言い、帰る時には晴れ晴れした表情になったというところが素敵だなあと思って、次号のNumberも購入しようと思っている。

100回目の夏、クライマックス

4時台の始発だというのに、甲子園に向かう人々で、電車内は立っている人もいて、甲子園に着くと同時に、改札をダッシュで駆けて行く。

 

私は、前日、場所取りをしていたので、そんな人を横目に甲子園に気持ち早歩きで、その場所に向かった。すでに長蛇の列で、その長蛇の列を整理するために警備員もたくさんいた。

 

場所を取っているところに行って驚愕する。

 

私の場所は、人の多さから前に詰められていて、場所を取っている意味をなさない。初めて体験する前日からのチケットの購入。こんなふうになるんだ。

 

そうこうしていると、前日、場所取りをしている時に知り合った松田さんからメールが来た。

 

「おはようございます。今、無事に道路の後ろに並んでいます」

 

昨日、場所取りをしていたところよりも前に、松田さんはいた。昨日、場所取りをしている時に、松田さんから新聞をもらったり、私のガムテープを貸したり、野球談義に花を咲かせた40代後半くらいの男性だった。

 

そうこうしていると、電話が来て、「こっちにおいでよ」と言ってくれる。私は、松田さんのところに着くと、「昨日、徹夜したよ」と松田さんが言った。松田さんの隣には同じく、昨日の場所取りの時に近くにいた北海道から来たという50代後半くらいのおじさんが、にこにこしていた。

 

私は、昨日に続き、3人で野球談義をした。松田さんは10年くらい続けて甲子園に来ていて、北海道から来たというおじさんは、毎年、甲子園を楽しみに生活をしているという。どれだけ、野球を愛しているんだ。

 

「会場は6:10になります」とアナウンスが聴こえた。

 

おじさんたちと野球談義をしていると、私の前で「横入りするなよ」と怒声が聞こえた。

 

私と同じように、前日、場所取りをして、6時くらいにホテルから戻って来たおじさんなのだろう。そのおじさんはすごい困惑した顔で、チケット売り場のまわりをうろうろしていた。

 

私と同じく場所取りが初めてだったのだろうか。私と同じく遠くから来たのだろうか。そんなことを考えていたら、私の場所に入れてやろうかとか、チケットを買って渡してやろうとか、頭をよぎったけど、行動に起こせなくて、情けない気持ちのまま球場に入って行った。

 

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準決勝第一試合の金足農×日大三の試合までの4時間ある。持参した月と六ペンスを読んだり、甲子園カレーを食べて待った。

 

松田さんは、日傘があるスタンドの上の方に、北海道から来たというおじさんは、仲間たちと、中段あたり座り、貧乏性の私は、中央特別席近くの一塁側のベンチ10列目あたり。できるかぎり前で観たいと思ったけど、あとで、アルプス席近くの上の方も良かったかなと思った。

 

スタンドは、ほぼ満員だけど、少しだけ空席も見られたから、怒声を浴びせられたおじさんも入ることができたかな、と思い出しながら準決勝を観た。

 

いうまでもなく、第一試合、第二試合ともすばらしい試合で、やっぱり甲子園は素晴らしい場所だな、と思った。

 

松田さんたちは、決勝を観戦するために、また場所取りをするという。

 

北海道に帰って来た私のところに、松田さんから、こちらこそ、お世話になりました。今日は今日で、並んでるメンバーと飲みに行く、とメールが来た。

 

 

 

今年の夏も終わる。

 

 

第100回高校野球選手権大会準決勝の当日券を求めて

日本上空、8月19日午前10:00。

 

できるかぎりの速さで、メールアドレスとパスワードをパソコンのキーボードで打ち込む。何度となく表示される「エラーが発生しました」の文字。30分は繰り返しただろうか。第100回高校野球選手権大会準決勝・決勝の前売りチケットを販売しているサイトの画面には、「予定枚数終了」の文字。グッバイ。

 

甲子園は、いつからこんなに人気になったのだろうか。私が甲子園で野球観戦していた頃は、並んだ記憶すらない。

 

ツイッターで確認すると、いかに甲子園を観戦するのが難しいかがわかった。この売り方をどうにかしてくれと訴える者さえいた。インターネットオークションに販売されているのに腹が立った。

 

甲子園球場、8月19日午後14:16。

 

すでに当日券を求める人たちの列ができていた。私は、レジャーシートをガムテープで貼り、マジックで名前を書いて、甲子園歴史館に向かった。

 

おとな600円。館内には、野球好きがあふれていて、展示物にカメラを向ける姿は、野球少年&少女。ここは、絶対行った方が良い。展示物はもちろん、バックスクリーンから甲子園球場を観ることができるし、ドラフト体感コーナーがあって、かなり楽しめる。

 

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8月20日午前3時14分。まもなく、始発で阪神甲子園球場へ。

 

試合開始は、午前10時。

 

テレビの中にいれますように。

 

 

新千歳空港にて

早朝4時起床。5時に自宅を出て、新千歳空港に到着。現在、新千歳空港のラウンジで、スポーツ新聞を読んだ後に、このブログを書いている。

 

これから伊丹空港に向かう。甲子園の熱戦をこの目に焼きつけるために。

 

天気は心配なさそうだ。あとはチケットを取れるかどうか。チケットの予約は空の上でインターネットを介して行われる。「着陸体勢に入るため、これより電子機器はご利用になれません」と言われたらどうしようかと、今からソワソワしている。こんなにチケットに神経を擦り減らすのはWBC以来だ。

 

昨日は、大阪桐蔭×浦和学院の一戦を途中までテレビ観戦した後、仕事にいかなければならず、残りの試合は熱闘甲子園で観た。

 

まずは大阪桐蔭。強い、強いと言われながら、敗れていった高校は数知れず。その強さに惚れ惚れする。

 

そして、もう一校。金足農。昨日のツーランスクイズは、まるで漫画のようだった。秋田の友達、中津も、さぞかし盛り上がっていることだろう。

【高校野球】ベスト8も目が離せない。

小寺くんを京都大会から観ていたが、本当、良い投手だった。私の中の優勝候補の一つだったが、龍谷大平安も甲子園を去った。これだから甲子園はわからない。

 

残すところは8校。予選から数えると、8〜9連勝しているチームばかり。これだけ連勝しているとどんな感覚なんだろう。そんなに連勝をしたことがないからわからない。

 

明日も、どの試合も注目。まずは何と言っても、第一試合の大阪桐蔭×浦和学院浦和学院は、甲子園に来て、まだ1点も得点を許していない。

 

そして、第四試合の金足農×近江。何と言っても、金足農の吉田くん。大会No.1投手の名にふさわしいこれまでの試合。連投になるのが心配ではあるが、頑張ってほしい。

 

100回目の夏も、まもなくクライマックス。

 

この時期の北海道の夜空は星が綺麗だ。

 

北海道は一足先に秋が来た。

【高校野球】高校球児がピンチの時に笑顔でいるわけ。

子どもの頃、甲子園をテレビで観ながら、ピンチなのに、どうしてピッチャーは笑顔なんだろう、と思っていた。笑える場面ではないでしょって。

 

やっとその意味がわかった。笑顔を作ることによって、身体の力みが取れる。力みが取れることによって、いつもの力を発揮することができる。

 

一方で、表情から負けん気の強さが伝わってくる選手もいる。

 

今大会で言えば、済美の山口くん、大阪桐蔭の藤原くん、根尾くん。

 

どちらかというと、私はそんな選手の方が好きかもしれない。

 

大阪桐蔭と対戦した沖学園の監督が、大阪桐蔭の強さにほれぼれすると言っていたけど、私も、大阪桐蔭の強さにほれぼれしていることに気づく。その強さ、ここ数年では一番の高校ではないだろうか。大阪桐蔭史上最強と言われるのも頷ける。怪物級の選手がいるわけではないけど、チームとして強い。

 

大阪桐蔭を破る高校が出てくるのだろうかと思う一方、私が観戦に行く準決勝までは残って欲しいと思う。